NHK「ネット受信料」新設 TVなし世帯対象に地上波と同額徴収
NHKがまた受信料に関して新たな制度、「ネット受信料」の導入を検討しているようです。今回の受信料の新設案はTVを持っていない世帯に対しての「ネット受信料」の徴収案で、以前から話題になっていた「ワンセグ」などの受信料問題にも関連しての処置だと思われます。
今後、2019年にはNHKの番組のネット同時配信が実現する予定ですが、その際にネットのみで視聴している世帯に対しての受信料のあり方を検討しているという。「NHK受信料制度等検討委員会」は26日に、今ある地上波放送や衛星放送の受信料は維持した上で、テレビを持たず、ネット同時配信のみを利用する世帯についても別の契約を設けるという方針を原案にまとめました。
これは「テレビを持っていないから」という理由で受信料を徴収されなかった世帯からも徴収していくためのNHKの切り札となりそうです。しかし、ただでさえ多くの問題や苦情を抱えているNHKの受信料問題で、新たな騒動が起きるのは明白ではないでしょうか。
受信料は地上波と同額
もしこの「ネット受信料」の精度が実現するとなると、ネットのみでNHKを視聴する人はいくら支払えばいいのでしょうか?現在、NHK受信料制度等検討委員会が検討しているのは、現行の地上波契約と同額の2,520円です(口座振替で2ヶ月分の場合)。
TVを持っており、すでに受信料を支払っている世帯はネット視聴に関しては無料で視聴することができ、追加で料金を支払う必要はないそうです。こちらの原案は、27日のNHK経営委員会に提示され7月の下旬には正式に決定する方向になりそうです。
この地上波と同額の方針に関しては、幹部からも「地上波より安くするべきだ」という意見があったそうですが、それだと「ネット配信のみを利用するユーザーが増えてしまう」という意見が多く地上波と同額という方針になったそうだ。結局はユーザー目線での組織・サービスでないということですね。
東京オリンピックに向けての受信料対策か
NHKはネットでのテスト配信を2105年から進めており、災害や緊急報道以外にリオ・オリンピックの一部も配信を行ってきました。その際にテレビを持っておらず、ネット受信のみを行う視聴者が多く、このネット受信料問題が大きく取りざたされていました。
今回、NHKが「常時同時配信」を本格的にサービスとして開始するのは、2019年。前回のリオ・オリンピックの受信料問題を踏まえ、東京オリンピックの前になんとかこの制度を確立させ、徴収できる受信料を増やしたい狙いがあると思われます。
受信端末を持っているだけでは徴収はされない?ネット受信料徴収の仕組み
昨年12月13日、総務省で行われている有識者会議「放送を巡る諸課題に関する検討会」でもこの「ネット受信料」問題に関しての質問がありました。NHK担当者の担当者はネット受信料に関して以下のような説明をしました
ネット受信料は「常時同時配信を視聴しうる環境を作った人に負担をお願いするのが適当」としました。この表現だけでは何を言っているのかがわかりませんが、単にパソコンやスマホ、タブレットなどのネット接続機器を持っているだけでネット受信料を徴収することはないということだそうです。NHK側としては、「単純にストリーミング配信をして受信可能な環境があるだけで受信料を徴収するのは難しい」という見解のようです。
ネット受信の際には「なんらかの手続きを設けて、手続きした人に負担してもらう」とのことでした。つまり、「私はNHKを見ます!と手続きを行った人が負担をしますよ」という意味で、この手続きを行わなかった場合はたとえ受信する端末を所有していたとしても受信料は徴収されませんとのことでした。
以前から長い間、問題なってきているこのNHKの受信料問題。NHKの受信料の徴収方法には一部かなり悪質なものもあるようですね。今回のネット受信に関しても、端末を持っているだけでは徴収できないとしていますが、実際はあの手この手を使って徴収させる可能性もあります。視聴者が気持ち良く受信料を支払うようになるためにも、NHK自体がクリアな組織・放送をしてほしいものですね。